日光東照宮の「鳴き竜」の歴史と由来について徹底解説!
2017/03/08
栃木県にある世界遺産「日光東照宮」。見どころはいろいろありますが、「鳴き竜」についてご存じですか?
薬師堂にある「鳴き竜」にはどんな歴史があるのでしょうか?その由来は?
日光東照宮の「鳴き竜」の歴史や由来について詳しく説明します!
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この記事のあらすじ
日光東照宮の鳴き竜の歴史について解説します!
日光東照宮と言えば「眠り猫」が有名ですが、それ以外にも見逃せないスポットが存在します。
それは、龍が天井に描かれた「薬師堂(本地堂)」です。これは国の重要文化財に指定されており、日光東照宮で最も大きな建造物になります。三代将軍徳川家光時代の1634年に行われた大造替の際に建てられています。すべて漆塗りの色豊かな建造物になっています。薬師堂は日光東照宮内にあるのですが、明治元年(1868年)の神仏分離令によって輪王寺と日光東照宮が分けられた際に輪王寺の管轄へと移ったため寺院という扱いになりました。鳴き龍として知られるようになった所以は、天井にいるハトを追い出すために手を叩いたところ、龍が鳴いているように響いたことからと言われています。
薬師堂は1961年の火災によって建物自体が無くなってしまったため、現存の建物は後日建て直されたものになっています。狩野永真安信によって描かれた龍の描写も一緒に焼け落ち、堅山南風が復元を行っています。見物した後には、きれいな音色のする「鈴鳴龍守」を買うのも定番となっています。色は4色ありその場の雰囲気や気分で選ぶ楽しみがあります。
私は日光東照宮の鳴き竜の歴史を母に教えてもらいました!
てるちゃん「修学旅行で日光東照宮に行ってきたよ。薬師堂にある鳴き龍の下で住職さんが拍子木を叩いてくれて、それによって響いた音を聞くことができたよ。」
母「良かったわね。住職さんはなんでそんな音がするのか説明してくれたの?」
てるちゃん「うん、してくれたよ。出した音が床と天井の間を反射しながら往復しているために音が鳴ると教えてくれたけど、今考えると、龍の下だけ音が鳴って他の場所では鳴らなかったんだ。何でなのだろう。」
母「手元に資料があるから鳴き龍について教えてあげるわね。龍はもともと当時、狩野永真安信という人が描いたものなのだけど明治元年に起こった火事で焼失してしまったの。それを後日、堅山南風という日本画家が復元したんだって。」
てるちゃん「火事で無くなる前も鳴いていたのかな?」
母「そうよ。だからその音を再現するために、実際に小さな模型を作り同じ条件下で繰り返し実験・確認をして復元したんですって。絵と音の両方を復元したのね。」
日光東照宮の歴史とは?鳴き竜はいつでも聞ける?
日光東照宮・・・江戸時代の基礎を確立した初代将軍である徳川家康を祭る神社。
家康は75歳で亡くなり、すぐに駿河の国の久能山に神葬(1616年)されました。亡骸は家康の遺言で1年後に埋葬された久能山から日光へと移され東照宮として鎮座しました。現存する55棟の社殿群は徳川家光の時に大造替されました。その後、1645年に宮号を賜って東照宮と名付けています。1999年には世界文化遺産にもなりました。
本地堂・・・1635年に建造された日光東照宮で最も大きな建物で本尊は薬師瑠璃光如来像。それが理由で薬師堂とも言われています。天井には狩野永真安信が描いた8mにも及ぶ龍の絵があり、鳴き龍現象(手を叩くと反響から鳴いているように聞こえる)が起こります。1961年に火災で焼失しましたが、建物は建て直され絵も堅山南風によって復元されました。
鳴き龍・・・小さい時に薬師堂の鳴き龍の下で手を叩きまくったが、結局いまいち鳴いているのかわからなかった覚えがあります。大人になって今度こそしっかりと音を聞こうと意気込んでいると・・・今は『手は叩かないでください』という文字があります。お寺のお坊さんが拍子木を打って音を聞かせてくれるようになっています。今回はしっかりと鳴き声を聞けました。
鳴き竜の秘密を教えます!
鳴き龍はどうして鳴いているように聞こえるのか?
良く音が反射する大きな壁(床)が2つ平行に存在していれば「鳴き龍」の現象は起こります。薬師堂では龍の絵が描かれているため「鳴き龍」と呼ばれていますが、実際は何の絵でも構いません。表面がきれいに磨かれた板は音の反射が良くなります。特に軽いカーブを持った天井のような場合はより効果的に音が跳ね返ります。跳ね返った音が天井と床の間を行ったり来たりするため、干渉しあった重ね合わせ音(空気の密な部分が重なり合って音が増幅する)が何度も聞こえます。
人間の耳には「ビューンビューン」という大きく響いた音として聞こえます。薬師堂の天井を良く見ると、重ね合わせ音に最適なお椀の形をしているのがわかります。下で拍手をした音が床と平行に作られた天井に反射し、ちょうど拍手した高さで強い響きになるよう工夫され設計されています。細かい計算をしなくても体感で音の聞こえ具合がわかりますので、精密機械のない当時の大工さんたちにも建造は可能であったと考えられます。この現象はカラオケでよく耳にする「エコー」の原理とは異なり、日常でも同様の条件がそろえばどこでも起こりうる現象なのです。
ただ、薬師堂のような厳正な雰囲気を持った場所で起こることで、その効果は抜群となります。龍の絵が施してあることも話題になった理由と言えます。まるで龍が鳴いているかのように聞こえますから非常に雰囲気が出ます。
日光東照宮以外にも鳴き竜で有名なお寺はあるの?
天井の鳴き龍と言えば他に「大徳寺」「相国寺」「興聖寺」の名前が挙がります。ただし大徳寺は一般非公開、相国寺はドーム型の構造による多重反響現象<フラッターエコー>と呼ばれる現象で少し薬師寺とは異なります。訪れるとしたら興聖寺が良いでしょう。ここは茶道織部流を継承するお寺で、戦国時代から江戸時代初期にかけての茶人、古田織部が開祖となっています。境内には織部のお墓があり、祥月命日の6月11日に墓前茶会が行われています。
興聖寺は二層造りになっている天井に大きく鳴き龍が描かれており、響き渡る音が非常に魅力となっています。龍は僧によって描かれたものなので、絵自体の認知度としては低いと言えます。ここはちゃんと龍の顔の下で手を叩くことが必要で、少しでも龍の顔を外れてしまうと音が反響してくれません。先人の知恵にはただただ感服するばかりのものとなっていますが、あまり世間一般に知られていないところが残念ではあります。
鳴き龍で有名なのはやはり日光東照宮薬師堂です。この鳴き龍は現代になって科学の力によって龍の顔にあたる部分の地下に大きな土でできた瓶が埋められていることが解明されました。つまり、この瓶が埋められた場所の上で手を叩くことによって瓶が音を反響させる作りになっていました。まだ良くわかってはいませんが、興聖寺の鳴き龍にも何か音の反響する仕掛けがあるのでしょう。これは建物を建てた先人たちの知恵と言えるものです。